☆一期は一揆と癸

 穏便に過ごしたいから校長の任期を決めたのか、後がつかえてしまう

から任期を決めたのか知らないが、「私の任期中は粗相がないように!」

「私の任期中は穏便に!」と思っているのかどうかは知らないが、端から

見ていると、なるべく事件沙汰になる前に非行の芽を摘んでしまおうと

思っているから、非行や登校拒否やいじめが起きて、任期中を無事に過

ごせなくなってしまう。任期中はそつなく過ごせば、退職金が支給され

晩年が安泰になると思っている。だから臆病な大人にもっと前向きに

真剣に「今日行くしなさい!」と訴えかけている。

 一揆の揆は何を現しているのか? 揆とは「測る」「量る」の測量で、

物事の内容や程度をはかり知ることである。その前に「癸・みずのと」

を知れば理解が出来ると思う。この癸は「干支・かんし」で、方位は

北に位置し、夜中であり、真冬であり、春に向かうである。つまり物事

の筋道を立てることであり、その筋道が立たぬと、混乱になり、ご破算

になる。これを均す【ならす】という。日本では政治が道を失い羅針盤

が無くなると、自然に起こる騒動を一揆という。

 夏には葉が覆い茂り枝振りが分からなかったが、冬になって葉が枯れて

落ちてみて、はっきり枝がどのようになっていたかを知ることが出来る。

また夏の最中は川縁に草が茂り、水路がはっきり分からなかったが、

冬になって草が枯れ、ようやく水路の川縁がはっきりと描くことが出来る。

 これは万事が則・道、つまり筋道を、はっきりさせるとか考えて処理する

ことが出来るようになる。