☆風水とは

風水とは

  最近よく風水のことを聞かれます。どっちの方位に何色の物を置いたらよいか?
また良くなるためには、何処に盛り塩を置けばよいか? 毎日塩を撒かなければ幸せに
なれない、風水を知らなければとか、利用しなければ幸せになれないのか?
とさまざまの事を問われる。

  しかし実際に風水の本を買って実行した人達はどうでしょうか? ためしても変わらない
とか、利用してみたなら良くなったとか、喧嘩になってしまったとか、次の方法の本が出た
から買ってみて実行しても変わらないからと、次から次へと本を買いあさって、結局一時期
のブームになってしまう。

  よくテレビで『何々が健康によいから!』『この野菜はどの病気に効くそうだ!』『この方法
をすれば健康になれるから!』と言われ、次から次へと新しい食べ物や健康法を放映する
が、一向に健康になった人はいなく、病院は大繁盛である。
大部分の人は何故だろう………。と不思議がっている。

  現在の風水は幸せを創造するのではなく、喧嘩を引き寄せる元になってしまったのが現状
である。 昔の風水は家の中を良くするためには、まず三軒両隣の人達と、仲良く暮らすことを
目的にしていた。だから、お互いが争いやイザコザを起こすことなく、共に友として共存共栄
することが第一の考え方があり、それが地相をあみ出し家相になってきた。 地相の元は群が
安全に住めること。群の安全が確保できたり保証されていれば、地域の付き合いが、円満に
潤滑良く生活できるからである。そのために扇状地や湿気の多い所、崖の下やカーブの外側
などは、危険だから避けて群を作ったのである。

  地相が確保できたなら、今度はお互いが採光問題を確保することをあみ出した。それは
お互い三軒両隣、全ての家々にお日様が行き届くような向きに場所を設定し、お日様を敬う
天照大神様を祀る場所である神棚を作りました。そして群は村になり村から町になり組織が
繁栄してきました。
 
 日本の地図を見てもらえば分かると思いますが、国土は山が大部分占めていて平野が
少なく、平野があっても、川に橋を架けるところがあまりないので、交通事情を考えると、どう
しても寄り添って生活するしかなかった。

  色々考えた結果が、共同の井戸を掘り同じような間取りの家を造り、同じように右手で箸を
持ち、左手で茶碗を持つように、幼い頃から躾られて育ってきました。同じ間取りを造ることは、
お互いが共同作業で助け合うために、嫁いできた若嫁さんでも、自分の実家と同じ間取りだか
ら、違和感がなくお手伝いが出来るからである。

  そこに風水が必要になってきたのです。だが風水と言っても、群や村や町にとって集団で
生活するのに、大切だから取り入れたのです。その風水は今流行の陰陽道などとも同じである。

陰陽道

 それでは陰陽道のことを少しお話ししましょう。陰陽道は字の如く陰と陽を組み合わせ、お互い
が争いをさける方法と、相手を威圧する方法があり、争いをさける方法が陰陽道になり、相手を
威圧する方法が、孫子の兵法や呉子の兵法のように、軍事の戦略として使われるようになりま
した。  兵法のことはまず別にして、お互いが争わない方法を説いていきましょう。
まず簡単な見方から言えば、家庭をあげることができる。

  家庭とは字の如く家と庭であり、家には庭が必要でした。なぜ家に庭が必要だと言えば、家は
女であり、庭は男と見ていたからである。だから昔は上棟祭に女の人は乗ることができませんで
した。そして易学で言えば女は陰で男は陽になり、偶数は陰であり、奇数は陽と鑑定しますから、
陰は女であり家であるから、上棟には男のいる立場を守り、乗る人の数を奇数にしました。
一般的には十一人や十三人の男の人が上棟に乗り、女と見なした家を守る式典をした。ちなみ
に正月の三が日は、おせち料理を作り置きして、家の中で女の人を休ませる尊い日として、おせ
ち料理を女としお屠蘇は男として、一年の計は元旦にありで、夫婦円満を祈り陰陽和合である。
だが家を全て女としたのではなく、玄関は男としてお勝手口を女とした。また門を男としてみれば
玄関を女にした。これも陰陽和合である。

  家は女であり庭は男であると言う意味が分かりましたなら次は庭です。庭には大小の岩や石と
大木小木を取り入れ、山川草木の模擬庭を作り、自然と共に生きることを考え、それに借景を
取り入れました。景色を借りる借景は大自然で雄大ですから、大自然を男と見れば庭を女と見る。
これも陰陽和合である。

  今度は庭だけを見ますと、大岩を男と見れば小岩を女と見て夫婦岩にし、岩を男として見れば
木を女と見て、大木を男として見れば灌木を女と見て、灌木を男として見れば草花を女と見て、
庭に池を作り、庭全体を主人として見れば池を長男として見て陰陽和合にしました。
ここまでがお分かり頂ければ、次に男鬼門【東北の位置】女鬼門【西南の位置】のお話をしましょう。


桃太郎の話

まず皆さんが誰でも知っている【桃太郎のおとぎ話】をお話ししましょう。この話は単なるおとぎ話
では なく、稲作農業を代々受け継いで欲しいという、五穀豊穣祈願の為に作られた話しである。

むかしむかしあるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。と始まり、大きな桃がどん
ぶら どんぶらと川上から流れてきました。川は水だから北とし、北は冬と真夜中であり陰とし、
北は少年と し、冬や夜中に妊娠し、東である春に桃太郎が誕生した。
この桃は難を防ぐ厄除けとして扱われ、節分の節を作りました。節分は一月と二月の節であり、
一月は丑月であり二月は寅月であり、東北に位置し、男鬼門であり、丑の角と寅のパンツをは
いて いる鬼を追い払う儀式で、柿太郎や梅太郎としなかったのである。

そして桃太郎が、東の位置で春に誕生したと言うことは、稲作の稲の苗を現し、苗を育てるには、
春先まで籾「もみ」を保管しておかなければならない。これは子孫繁栄の準備である。
籾を苗に成長させ、お互いが助け合って田植えをしなければならないので、一致団結するために
桜の花見を愛で、いざ田植えとなり、神社で毎年行われる五穀豊穣祈年祭の春祭りである。
桃太郎の誕生と田植えと同じであり、田植えが終われば、お米が実るように、米の字の八十八の
如く、精魂込めて農作業に精を出したのである。お日様が東から昇り、東南から南の位置に来れ
ば頂点で、桃太郎も同じく成長し南の位置で成人である。

 その成人式になるには七五三の人生の節目があり、この数を足せば十五になり、昔の元服に当
たり、桃太郎も無事に成長し元服を済ませ、いよいよ鬼退治である。その鬼退治とは干ばつや
水害や飢饉だから、気をゆるめないために、一致団結の祇園で盛り上げ、無事に刈り取りができ
るように、祈願をする夏祭りである。

 それが七月は未月であり、八月は申月であり未申は女鬼門となり、女鬼門の西南から、男鬼門の
東北の鬼を退治しに行き、女鬼門を過ぎると九月になり、九月は酉月で黄金色に実った稲を刈り
取る準備の月である。

 酉の前後は申と戌であり、桃太郎に吉備団子を分けてもらい、着いていった動物は、猿と鳥と犬
であり、猿はすばしっこく木に登ったり走り回り情報を得て、鳥は大空から天候や気候をいち早く
把握し、犬は臭いを素早く嗅ぎ分けて、飢饉や水害や疫病の大難を小難に、小難を無難にした。

  また酉は西を位置し、酉にさんずいを付け加えると【酒】になり、御神酒として神様に奉納しまし
た。これは黄金がザクザク入り五穀豊穣になったことを意味し、桃太郎が猿と鳥と犬の情報を得
て、鬼を退治して自然災害から稲作を守り、無事に我が家に帰り着いたことになり、お祝いの秋
祭りになり、十一月に新嘗祭になり、一年草の稲であり米であり、日本の主食の伝統を守るため
に、桃太郎のおとぎ話を創った。

男鬼門と女鬼門

次に鬼門と裏鬼門は共に陰陽和合になっていて、男鬼門に男の上座を作らず、女の上座を作り
台所とし、女鬼門に女の上座を作らず床の間とし、床の間から庭を愛で、清濁併せ呑むや表裏
一体として、陰陽和合にした。

また自分の家から見て東は、隣から見れば西になり、自分の家から見て東南は、隣から見れば
裏鬼門になり、自分の家から見て鬼門は、隣から見れば西北になり、お互いが同じような家相を
作ることにより、お互いの立場を守りました。

だから張りと欠けは陰陽和合となっていて、お互いが巽張りと乾張りにし、お日様をいただいたり、
鬼門と裏鬼門を欠けさせ、相手にお日様をあげたりして隣を大切にしたから、村が発展してきた
のだと思います。

しかし、現在は家相を家の中だけにとどめて鑑定するから、間違った家相学が発展してきてしまっ
たのだと思われる。昔は正面の人と、はち合わせをする出入り口を避けたり、隣が高ければこちら
は平屋にしたり、目線を避ける工夫をして格子戸を作ったり、垣根の高さをあまり高くすると覗かれ
るから、胸の高さに刈り取ったりして、お互いが住み良い村造りをしました。陰陽和合や表裏一体
や清濁併せ呑むが風水で、四神旗となり

東に青龍の流れ
南に朱雀の陽気、充満の広野
西に白虎の交通の備え
北に玄武の山の守り

東に緑、南に赤、西に白、北に黒、鬼門や裏鬼門と土用に黄色を現し、地鎮祭や屋敷祓い、
上棟祭、新室祭や年の節々にご祈祷を受け、五色の切り紙と切り麻を撒いて、家内安全や
五穀豊穣、水害や災害、厄除けなどを祈願する式典を執り行ったのである。

五行の機能と性質分類表
五季
五方位
五色
五臓
五腑
五根
天干
地支
五味
肝臓
胆のう
三と八
甲・乙
寅・卯
心臓
小腸
二と七
丙・丁
巳と午
土用
中央
脾臓
胃臓
口・唇
五と十
戊・己
丑と辰と未と戌

西
肺臓
大腸
四と九
庚・辛
申と酉
腎臓
膀胱
一と六
壬・癸
亥と子

これが風水の元であり、五行の法則であり、身体と季節や方位や色などと、一心一体となって いる。
色だけが風水ではなく、盛り塩を置いたり、四隅に塩を撒くことが風水ではない。自然と友に共存
共栄して、幸せに暮らすことが風水である。
また一番肝心なことは、主人や男の人を無視して、宗教や鑑定や風水を重要視してはいけない。
主人を信ずることが風水の根元である。
そして自分を信じ、家族を信じ、隣の人達と仲良く暮らすこと、これが地霊である産土の神様であり氏神様である。だからまず、みずからに感謝すること。