おばあさんは養子娘

   
「おばあちゃん。結婚が決まったよ。」
祖母
「そりゃあ。良かったわね」
「僕ね。養子に行くんだ。」
祖母
「ダメだよ。家が絶えてしまうよ。」
「だけど。おばあちゃんがよく言っていたじぁないか。おじいちゃんは長男だったけ ど、おばあちゃんが美人だから、婿養子に入ったんだって。」
祖母
「それとこれとは話が違う。ご先祖様が絶えちゃうよ。」
「おばあちゃんが言ってたことと違うじゃないか。おばあちゃんはおじいちゃんの実家の先祖より、養子に入った方のご先祖を守ることが大切だよって」
祖母
「……。」
「だからおじいちゃんの家が絶えてもしかたがない。ご先祖様がお守りしてくれなかったのだからね。とよくおばあちゃんが言っていたじゃないの。僕はその言葉を覚えているよ。」
祖母
「それは長男だったおじいちゃんが養子に出たからよ。」
「それじゃあ! 僕も長男だから僕が養子に出るとこの家は絶えるね。」
祖母
「そりゃあ困る。ご先祖様に申し訳ない。」
「おばあちゃんの先祖はおじいちゃんの先祖を絶えさせたから、僕がおじいちゃんの先祖を復活させるために、おばあちゃんの立場と同じところと縁が出来たのだよ。」